コラム

HDD(ハードディスク)がパソコンに認識されない?原因と対処法を解説

HDD(ハードディスク)がパソコンに認識されないと、重要なデータにアクセスできず、困ることがあります。

原因としては、接続不良、ドライバの問題、物理的な故障など、さまざまな原因が考えられます。この記事では、HDDが認識されない原因とその対処法を解説し、データを復旧する方法をお伝えします。ぜひ参考にしてください。

【症状別】HDDが認識されない原因と対処法

HDD(ハードディスクドライブ)がパソコンに認識されない場合、その原因はさまざまです。以下に、具体的な原因と対処法を詳しく説明します。

①接続ケーブルの問題

HDDが正しく接続されていない、または接続ケーブル(SATAケーブルや電源ケーブル)が損傷していることがあります。この場合、下記の対処法を試しましょう。

  • 電源を切り、ケーブルを確認する
  • ケーブルの抜き差しを行う
  • 別のケーブルまたはポートを使用する
  • 外部HDDケースを使用してテストする

電源を切り、ケーブルを確認する

パソコンの電源を完全に切り、すべての電源ケーブルを抜いてください。
次にケースを開け、HDDに接続されているSATAケーブルと電源ケーブルを確認します。ケーブルが緩んでいないか、しっかりと接続されているかを確認してください。

ケーブルの抜き差しを行う

接続されているSATAケーブルと電源ケーブルを一度抜き、再度しっかりと差し込みます。このとき、コネクタが正しくはまっていることを確認してください。これにより、接触不良が原因である場合に問題を解決できることがあります。

別のケーブルまたはポートを使用する

他のSATAケーブルや電源ケーブルに交換し、異なるSATAポート(マザーボード上)に接続します。これによりケーブルやポート自体の故障が原因かどうか確認できます。

外部HDDケースを使用してテストする

内蔵HDDを外部HDDケースに接続し、別のコンピューターに接続してみます。これでHDDが認識される場合、問題はパソコン本体やマザーボードのポートにある可能性があります。

②ドライバの問題

HDDのドライバが古いか、正しくインストールされていない場合、システムがHDDを認識できなくなります。この場合、下記の対処法を試しましょう。

  • デバイスマネージャーを確認する
  • ドライバを更新または再インストールする

デバイスマネージャーを確認する

Windowsの「デバイスマネージャー」を開きます。これは、「スタート」メニューから「デバイスマネージャー」と検索することでアクセスできます。

「ディスクドライブ」のセクションを展開し、認識されていないHDDがあるかどうかを確認します。もし「不明なデバイス」や「!」のマークが表示されている場合、それはドライバの問題を示しています。

ドライバを更新または再インストールする

ドライバの更新や再インストールは、デバイスの正常な動作を確保するために重要です。以下の手順で簡単に行えます。

ドライバを更新または再インストールする手順
  1. デバイスマネージャーを開く
    Windowsの検索バーに「デバイスマネージャー」と入力し、表示された結果をクリックしてデバイスマネージャーを開きます。
  2. 問題のあるデバイスを見つける
    デバイスマネージャーのリストから、ドライバを更新または再インストールしたいデバイスを見つけます。デバイス名の横に黄色い警告アイコンが表示されている場合、そのデバイスに問題がある可能性があります。
  3. ドライバを更新する
    問題のあるデバイスを右クリックし、「ドライバの更新」を選択します。次に、「自動で更新されたドライバーソフトウェアを検索」を選んで、インターネットから最新のドライバを自動的に検索しインストールします。
  4. ドライバを手動でインストールする
    自動更新がうまくいかない場合や、特定のバージョンのドライバを使用したい場合は、公式サイトから最新のドライバを手動でダウンロードしてインストールします。次の手順に従います:

    • デバイスの製造元の公式ウェブサイトにアクセスします。
    • お使いのデバイスモデルに対応する最新のドライバを検索します。
    • ダウンロードしたファイルを開き、画面の指示に従ってインストールを完了します。

この手順を実行することで、デバイスのドライバを最新の状態に保ち、パフォーマンスの向上や問題の解決に役立てることができます。

③パーティションの問題

HDDにパーティションが設定されていない場合や、パーティション情報が破損している場合、HDDが認識されないことがあります。

パーティションとは、HDDを論理的に区切って管理するための領域です。パーティションが設定されていないHDDは、OS(オペレーティングシステム)からは未使用の空き領域として認識されるため、ドライブとして使用する準備が整っていない状態です。このため、OSはそのHDDを通常のストレージドライブとして表示せず、アクセスもできません。

この場合、下記の手順を試してパーティション情報の修復を行います。

パーティションの修復手順
  1. ディスクの管理を開く
    • Windowsの「ディスクの管理」ツールを開きます。これは、「スタート」メニューで「ディスクの管理」と検索して「ハードディスク パーティションの作成とフォーマット」を選ぶことでアクセスできます。
  2. HDDの状態を確認する
    • リストに表示されるディスクの中から問題のHDDを見つけ、「未割り当て」と表示されている場合、新しいパーティションを作成する必要があります。
    • HDDが「オフライン」と表示されている場合、ディスクを右クリックして「オンライン」に設定します。
  3. 新しいパーティションを作成または既存パーティションを修復する
    • 未割り当ての領域がある場合は、右クリックして「新しいシンプル ボリューム」を選択し、ウィザードに従ってパーティションを作成します。
    • パーティション情報が破損している場合は、HDDの右クリックメニューから「プロパティ」を選択し、「ツール」タブの「エラーチェック」機能を使用してディスクの修復を試みます。

④BIOS設定の問題

BIOS(またはUEFI)設定でHDDが無効になっている場合や、設定が不適切であるとHDDが認識されないことがあります。

BIOS設定のリセットまたは変更手順
  1. BIOSにアクセスする
    • パソコンを再起動し、BIOS(またはUEFI)に入るためのキー(通常は「F2」「Del」「Esc」など)を押します。画面に表示される指示に従ってください。
  2. HDDの設定を確認する
    • BIOS内の「Boot」セクションや「Storage Configuration」セクションを探し、HDDがリストに表示されているか確認します。表示されていない場合、BIOSの設定が原因の可能性があります。
  3. BIOS設定のリセットまたは変更
    • 必要に応じてBIOS設定を「デフォルトに戻す」(Restore Defaults)か、「HDDの有効化」を行います。変更を保存してBIOSを終了し、再起動します。

HDDが認識されない問題は、多くの異なる原因が考えられます。特に物理的な故障が原因と考えられる場合は、無理に操作せず、専門家に相談することが最善です。

⑤物理的な故障

データ復旧サービスの料金相場は?費用に差がある理由を解説HDDのヘッドやモーターが故障すると、HDDが動作しなくなることがあります。特に、異音(クリック音やグラインド音)が聞こえる場合は物理的な故障の可能性が高いです。

使用を即時停止

HDDから異音がするか、動かなくなった場合、物理的な故障が進行している可能性が高いため、すぐに電源を切って使用をやめてください。HDDの内部部品が損傷している場合、使い続けることでさらなるダメージを与え、データが完全に消失するリスクが高まります。

異音はヘッドの損傷やモーターの問題を示しており、この状態での使用は、HDD内部のプラッターやデータ記録面に傷をつけ、データが完全に失われる恐れがあります。したがって、異音がする場合は、すぐに電源を切り使用を中止するのが最善です。

【※】物理的な故障は自力で修復・データ復旧するのが難しい

物理的な故障は自力で修復・データ復旧するのが難しいため、データ復旧が必要な場合は専門業者に依頼することをおすすめします。専門業者は、クリーンルームでHDDを分解し、特殊な装置でデータを回収することができます。

14年連続でデータ復旧の国内売上No.1(※)を誇る「デジタルデータリカバリー」は、40名以上の専門エンジニアを抱え、各分野に特化したチームで効率的なデータ復旧を行っています。また、クラス100レベルのクリーンルームを完備し、さまざまなデータ障害にも対応できる高い技術力を持っているため、信頼して依頼できるおすすめの業者です。

※:データ復旧専門業者とは、自社及び関連会社の製品以外の製品のみを対象に保守及び修理等サービスのうちデータ復旧サービスを専門としてサービス提供している企業のこと。第三者機関による、データ復旧サービスでの売上の調査結果に基づく(算出期間:2007年~2020年)

まとめ

この記事では、HDDが認識されない原因と対処法を詳しく解説しています。

HDDが認識されない原因には、電力不足や周辺機器の不具合、システムファイルの破損、さらには物理的な故障など、さまざまな要因が考えられます。それぞれの原因によって適切な対処法が異なるため、まずは原因をしっかりと特定することが重要です。

もし、自分での対応が難しいと感じた場合や原因が不明な場合は、無料で初期診断を行ってくれる専門業者に相談するのが安心です。